ハイジャック犯と心を通わせるパイロット、という粗筋から想像したよりずっとリアルだった。
自分を受け入れてくれたからという理由で自爆テロに加担し、その理由では自爆できない若者に「殺すぞ」と繰り返し叫ばれる副操縦士。「心を通わせた」ような気がしたし、若者は彼の事情を語らなかったけれど、「わかる」ような気がした。
気がした一方で、イスラム過激派だと作中で明言して、事情を明かさないまま終わるのは、彼らの側からしたら腹立たしいことなのではないかとも思った。なにをわかった気になっているんだ、すべてお前の想像で、決めつけただけじゃないかと。